市川市・船橋市・松戸市エリアの税理士、島田竜一です。
今回は、市川市の制度融資の1つである「中小企業独立支援資金融資制度」の概要について、市の花である「バラ」の画像とともにお送りします。
制度融資とは、「県や市などの地方公共団体」、「銀行などの金融機関」、「各地の信用保証協会」の3つの機関が協力して創業・設立支援や中小企業支援を目的とした融資を行うものです。
市川市では、知識・技術に基づき新たに中小企業として市内で開業する個人を支援する目的で「中小企業独立支援資金融資制度」を設けています。
なお、この融資制度は責任共有制度対象となります。
※掲載日時点の法令・情報等に基づき記載しておりますのでご留意下さい。
どのような場合に融資を受けられるのか?
次の(1)から(3)までのいずれかに該当し、かつ、①から⑤までの全ての要件を満たし、市川市市内で開業する、または開業中である個人が対象となります。
(1) 同一の中小企業者が経営する市内の事業所に3年以上継続して勤務し、かつ、退職後3ヶ月以内に当該中小企業者と同一の事業を営もうとする個人 (当該中小企業者又はその代表者の親族を除く)。
つまり、市川市内の同じ会社で3年以上修行した上で、同じ事業で独立するというケースです。
退職後3ヶ月以内に事業を営むということですので、退職前からある程度の準備が必要かと思います。
(2) 法律で定める資格( 調理師、理容師、公認会計士、建築士、美容師、クリーニング師、医師、歯科医師、薬剤師、税理士、弁理士、中小企業診断士、社会保険労務士、司法書士、行政書士、弁護士、通訳案内業、旅行業務取扱主任者、自動車整備士、不動産鑑定士、土地家屋調査士 など)に基づき開業する個人。
開業するのに資格が必要ないわゆる「士業(師業)」などがこれに当たります。
なお、飲食店開業にあたって調理師免許は必須ではありませんが、取得していればこの要件を満たすことになります。
(3) 公共職業能力開発施設における職業訓練、中小企業総合事業団による研修及び市川市が主催する起業塾等を修了し、1年以内に開業する個人。
(1)、(2)は対象が限られていますので該当しないケースも多いかと思いますが、この(3)で裾野がだいぶ広がっています。
①適切かつ確実な事業計画を有し、経営能力を備えていること。
②個人の場合にあっては、年齢が25歳以上であること。
③市町村民税を完納していること。
④状況により連帯保証人を付し又は担保を提供することができること。
※借主が高齢である場合等の特殊なケースで連帯保証人等が求められる可能性があるというだけで、原則的には連帯保証人等は不要です。
⑤千葉県信用保証協会の保証を受けることができること。
※保証対象外業種については、要件を満たさないことになります。
主な保証対象外業種は、農林漁業(一部除く)・風営法関連の事業等・金融や保険業(一部除く)などがあります。
どのような条件で融資を受けられるのか?
まず融資に係る資金の使途ですが、当然、個人の私生活関連や投機は認められず、事業の経営上必要とする運転資金もしくは設備資金ということになります。
資金の種類 | 融資限度額 | 融資期間 |
---|---|---|
運転資金 | 1,500万円(※) | 5年以内 |
設備資金 | 10年以内 |
※ 市外居住者は1,000万円です。
利子補給率
2.00%
※ 利子補給期間は融資実行後5年間で、年2回に分けて行われます。
融資利率
融資期間 | 融資利率 |
---|---|
1年以下 | 1.60% |
1年超、3年以下 | 2.00% |
3年超、5年以下 | 2.20% |
5年超、7年以下 | 2.50% |
7年超、10年以下 | 2.80% |
※1年以下は1.60%ですので利子補給率を下回りますが、その場合の利子補給率は1.60%となります。
信用保証
千葉県信用保証協会の保証を付ける必要があります。
保証料率は、一定料率(1.15%)となります。
市川市で起業される場合、この制度の適用を受けることができれば非常に低い利率・コストで資金を調達できます。
もう一方の創業融資制度の「中小企業ベンチャービジネス等支援資金融資制度」とも比較されながら、どの制度が最も適しているかチェックしてみて下さい。