南行徳・浦安駅徒歩圏内、市川市・浦安市・江戸川区で活動する税理士、島田竜一です。
今回は、会社設立シリーズ第8弾として「開業費」について解説していきたいと思います。
※掲載日時点の法令・情報等に基づき記載しておりますのでご留意下さい。
開業費とは?
開業費とは、会社を設立登記した後から実際に事業を開始するまでの間にかかった開業準備のための費用をいいます。
「〜費」と名前がついていますし実際のところも費用であることに間違いは無いのですが、その支出の効果が1年以上に及ぶため、繰延資産とされています。
つまりは一度、繰延資産として資産計上した上で、それを償却して費用化していくことになるのです。
どんな支出が開業費になるの?
法人税法施行令第14条①二では、開業費は「法人の設立後事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいう。」と定められています。
「開業準備のために特別に支出する費用」ですので、事業開始前に発生した家賃や水道光熱費、通信費等はその後も継続的に生じるものであることから該当しないこととなります。
開業費となる支出の例としては、名刺費用、開店告知等の広告宣伝費、調査費、開業準備に係る打ち合わせ費用、旅費交通費などです。
どうやって開業費で節税できるの?
前述の通り、開業費は繰延資産ですので、いったん資産計上した上でそこから償却(費用化)していくことになります。
税務上、この償却のタイミングも償却額も任意なのです。
つまり、どの事業年度にどれだけ費用化してもいいということになります。
そこで、あまり利益の上がらない事の多い初年度には全く償却をせず、利益が上がってきた2年目以降に利益状況に応じて償却していくという節税策が有効になります。
いずれにしても、まずは開業前の支出をしっかり記録し証憑類を保存しておくことが大切です。
その上で、開業費にできるものはできるだけ開業費として処理した方が、上記の節税策を使えるため有利になります。
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